古くて新しい施術
腱引きという言葉を初めて聞いた方も多いと思います。
「腱引きとはその名の通り身体にある腱を弾き、全身の筋肉の調整をする療術です。
一般的な整体やマッサージのように揉んだり、骨をボキボキするようなものではありません。
東洋的な流れを汲んだ古来から伝わる日本の伝統療法です。
武術家の技として伝わってきた技術
おそらく300年前には日本各地に腱引き師がいたと思われます。
武術のそれぞれの流派の中に殺法があります。その反対に武術の技術に人を活かす「活法」があったようなのです。
それぞれの流派で特色のある活法は他の藩に流出するのを防ぐために「門外不出」「秘伝」とされ、技の伝承も免許皆伝した者にだけ伝えられるなど、かなり守られていたようです。
一度武術の免許皆伝の時に渡される3巻の巻物を見せてもらった時があります。殺法の事は事細かに書かれていましたが、活法についてはほんの少し、しかも「口伝」と書かれていて内容はわからない物でした。
江戸時代の小唄に「あんま、けんぴき」に行こうと唄われていたり、北は青森から南は奄美大島まで、「腱引き」を受けたことがあるとか「ウチの祖父がよく腱引き受けに行ってくる」と言っていたのを覚えています。などの声をいただいたことが度々あるので、確実に実在した療術である事は間違いありません。
ごく少数の人に伝えられていた上に、当時は「見て覚えろ」「技は盗め」が普通の世界でしたから、当然書面にもその技術は残されていません。
武士がいなくなり、昭和に入って医療制度が変わっていく中で、伝承されるのが難しく昭和の後半にはその技ができる人はとても少なくなりました。
私の師匠の小口昭宣先生が腱引きを習ったのは、小林さんという高齢の男性でした。その男性は腱引きを「東北の柔術家」から伝授されたそうです。
今、私たち腱引き師に伝えられている言葉もこの東北の柔術家の言葉なのです。
捉えて離さず引いて弾かず
この言葉はその一つ。腱を引く極意なのだそうです。
謎々のようですよね。私たち腱引き師はこの感覚を得たくて一生追い続けていっているのです。生きているうちにわかれば良いのですが。
腱引きの良さ
腱引きは筋肉の調整、活性を促します。
体の中の巡りがよくなるので体調が変化していきます。
腰痛、肩こり、坐骨神経痛、手首痛、首痛、足首痛など、体のどこかが動かすときに痛みがある方にとても適した療法です。
他にも頭痛、生理痛、めまい、など筋肉に関係のないような症状にも対応しています。
お腹の施術もあります。腸の位置を調整します。お腹の硬い方、触ると痛い方、便秘、生理痛でお悩みの方、ご相談ください。